海を航る詩

外洋ヨットで海を航く悲喜こもごもの詩を朗読(映像つき)

マストが星を連れて行く

「マストが星を連れて行く」

 


水平線に 今、夕日が近づいたと思ったら

あっという間にもう夜の帳が下りる

さっきまで向こうで待っていた月がくっきり浮きあがる


眠気覚ましは用意した!

向かう先に闇が大きな口を開けている

新しい世界へ踏み込むように目を凝らす


夜光虫はキラキラ夢の花道 

月が雲の間に隠れると星たちが騒ぎ出す

先人たちも見ていたであろうか同じ星空を

本能を研ぎ澄ます夜空と波の音

降り注ぐ流星

ためしに願い事を祈ってみよう


頭上でマストが星たちを連れて行く


遠く前方に緑の灯、赤い灯       

どんな船が何を載せて行くのだろう

どこから来てどこへ行くのか

姿も見えない灯火だけの景色

 

夜間航行、旅路はまだ続く。


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