海を航る詩

外洋ヨットで海を航く悲喜こもごもの詩を朗読(映像つき)

希望の船

輝く朝 蒼い月の夜 波は打ち寄せては砕け 時は瞬く間に今を通り過ぎ過去になる いつも大切なものは目に見えず 触れることもできず形もなくそこにある だからもう欲しくもないものを追いかけるのはやめて 今この瞬間の心のままに自分のための時間を使おう そ…

MONOLOGUE〜その名儚く

船を去る人を何度も見送ってきた。 「そのとき」が来たら、何を思うのだろう。 私はまだ、しばらくふらふら彷徨っていそうだけど・・・ www.youtube.com 【MONOLOGUE〜その名儚く】 シューティングスター、一瞬の流れ星 キラキラと光り輝いたら流れ落ちて終…

新しい朝を追いかけて

新しい朝を追いかけて 海を見ながら考える。 私に出来るちいさな冒険を。 マークもフニッシュラインもない、 何を目指すか自分で決める、この挑戦に言い訳は効かない。 荒天突破、トラブルシューティング、 困難ばかりじゃないけれど 間違いないのは安心して…

Memento Mori 〜ヨットで命を落とした仲間への鎮魂歌

Memento Mori 海に出よう 底深い紺青の世界に怖気付き、 逆巻く波に奮い立つも 生まれる前ここにいたような懐かしさを感じる海。 「板子一枚下は地獄」と船乗りは言う。 この下は、落ちたら生きて戻ることは容易でない底深い海 運命は予測しがたく災難は誰に…

It is Sunday today~白いセールは光の中

It is Sunday today~白いセールは光の中 It is Sunday today~白いセールは光の中 今日は日曜、白いセールと海を散歩 北西の風が強い日々だったのが 今日はいつになく穏やか 春霞たなびく海は暖かだけど テルテールはしょんぼりしてる かすかな風を探して、…

冬の光の中で ICY COLD WORLD

冬の光の中で ICY COLD WORLD 「身を切るような」とか「凍るような」という表現がある。 冬の海には現実の寒さとは別の 死の予感を孕む冷たさがある。 寒さが恐怖に変る瞬間、危険が擦り寄る 万全の準備で海に出るのはいつもながら、さらに用心を重ね臨む。 …

リギン鳴る夕暮れ

リギン鳴る夕暮れ 秋の宵、デッキでぼんやりお酒を飲む。 暑かった今年の夏、夢のように過ぎ去った冒険を思い出し 頬を撫でる風がすでに冷たいことに少し寂しさを感じながら 黄昏色に染まる空の下でほんのり酔う。 さっきまで船の修理をしていたヨット乗りた…

サンセットクルーズ

サンセットクルーズ セールを揚げてシートを引いて風をつかんだら、 サンセットクルーズ!走り出そう、水平線の彼方めがけ お日様が海に飲み込まれ今日の終わりが近づく 明日もきっと会えるのに、まるで今生の別れのように赤々と燃えてサヨナラを告げる 長い…

梅雨の海

梅雨の海 挨拶の常套句で “うっとおしい季節” といわれる梅雨。 洗濯物は乾かないし、傘は荷物になるし・・・ でも6月、「雨の匂いのする海」に心惹かれる海の仲間は少なくない。 そぼ降る雨のなか、船を出す時のときの「切ないような胸のときめき」は遠い…

私の時間

「私の時間」 海で過ぎる時間は陸のそれとは別物。 「時は金なり」 と常に労働時間の短縮が課せられ 大人になった私たちは意味ある時を過ごし 齢を重ねてきたと思っている。 思い起こすことはあるだろうか・・・ 時をお金に変える社会で生きながら お金を時…

マストが星を連れて行く

「マストが星を連れて行く」 水平線に 今、夕日が近づいたと思ったら あっという間にもう夜の帳が下りる さっきまで向こうで待っていた月がくっきり浮きあがる 眠気覚ましは用意した! 向かう先に闇が大きな口を開けている 新しい世界へ踏み込むように目を凝…