海を航る詩

外洋ヨットで海を航く悲喜こもごもの詩を朗読(映像つき)

冬の光の中で ICY COLD WORLD


冬の光の中で ICY COLD WORLD

「身を切るような」とか「凍るような」という表現がある。

冬の海には現実の寒さとは別の 死の予感を孕む冷たさがある。

寒さが恐怖に変る瞬間、危険が擦り寄る

万全の準備で海に出るのはいつもながら、さらに用心を重ね臨む。

 

風は重くても安定している。

波はかぶりたくないけど、それならそれでアドレナリン全開。

「落水したら助からないか・・・」

挑戦は快感か恐怖か、自問するけど結局わからない。

 

厚い雲の下、寂しくも威厳ある冬の海に圧倒される瞬間。

憂いは波に洗われ大海に流れ落ちる。

今、ただ生きるため、命を燃やすためだけにここにいる。

違う人生を生きていい、つかの間この海の上。

 

冬の海は一度嵌るとやめられない。